子どもが不登校に…親が受け入れるまでにかかったリアルな時間と葛藤

不登校・子育て

『何で私は、母親なのに寄り添った声かけが出来ないんだろう…』

うちの長男が学校に行かなくなったのは、小学5年生の3学期のことでした。
最初は「一時的なものだろう」と思っていた私。少し休めばまた登校できると、どこかで信じていたのです。

でも、日が経っても、週が過ぎても、状況は変わらず。
気づけば、完全な不登校に。
頭ではわかっても、心が追いつくには時間がかかりました。


それは喪失体験のようだった

「不登校を受け入れる」――
それは私にとって、“我が子の普通の学校生活”という理想の喪失を受け入れるプロセスでもありました。

心理学では、喪失や大きな変化に直面したとき、心は5つの段階(キューブラー・ロスの受容プロセス)をたどると言われています。これは本来、死の受容のプロセスとして使われることが多い理論ですが、様々な【喪失体験】にも当てはまります。

今回は、我が子の不登校の受容に要したプロセスとして紹介したいと思います。

喪失の受容は、主に5つの段階を踏むと言われています。

  1. 否認 :否認の段階では、心理的に喪失体験を遠ざけるための自己防衛反応として「間違いである」と考えて否認し、周囲から心理的に孤立します。
  2. 怒り :怒りの段階は、喪失体験に対し、「なぜ自分が」と理不尽さや不公平感を持ち、嘆き、他者への羨望、恨みを感じる段階です。
  3. 取引 :取引の段階では、「行動をあらためるから回避したい」と喪失の回避の可能性を模索し、喪失の恐怖から逃避する反応が起こります。
  4. 抑うつ :抑うつの反応は、喪失に対する苦悩だけでなく、対応の継続からくる身体的・精神的苦痛などからも引き起こされます。
  5. 受容 :抑うつが軽減されてくると、最後の過程である受容の段階を迎えます

まさに私はこの段階をたどっていました。


否認:「すぐ学校行くようになるよね?」

朝になれば起きてくれる。行きたくない日もあるよね。でも、また行くよね?
そう思って声をかけ、ランドセルを玄関に用意して…。
「とりあえず行ってみよう?」と、なんとか登校につなげようと必死でした。それで行けた日もあったけれど、最初だけでした。

迫りくる【不登校の壁】を必死に見ないようにして、とにかく登校させようと躍起になっていたように思います。

でも、長男の顔は、日を追うごとに曇っていきました。
無理をさせていたのだと、今なら分かります。


怒り・焦り:「なんで?どうして?」

「理由が分からない」「なんで休んでばっかなの?」
そう思ってしまう自分がいて、毎朝イライラピリピリ。でもその反面、そんな自分を責める日々。

「このままで将来どうなるの?」という焦りも大きくて、
その不安に押しつぶされそうでした。


取引:「午後だけでも行けない? 習い事なら…」

あれこれ提案してみる。
「午後からなら行く?」「習い事だけならいけるよね?」「〇曜だけでも行こう?」
小さな希望を見つけては、それにすがってしまう。

でも、期待して、裏切られて(これは勝手に期待したから)、傷ついて。
そんな私の言葉が、長男をもっと追い込んでいたのかもしれません。

“子どものため”と思っていたけれど、
本当は「不安な自分を安心させたかった」だけだったのだと、今なら分かります。


抑うつ:「どうして、こんなことに…」

学校にも相談しました。でも、思うような理解は得られず。不登校日数が増え、先生が毎日のように電話や訪問される応対で疲弊。

校内でも出来る検査があると知って問い合わせをしたら「病院に行ってください」と投げやりに言われ、心がぽきっと折れました。

孤独でした。
電話を切ったあと、ぼろぼろと泣きました。
誰に話しても、まるで暗いトンネルにひとりで取り残されたような感覚


受容:「この子の今を、そのまま受け止めよう」

時間はかかったけれど、少しずつ、心の中に変化が生まれました。

にいすけは、確かに学校には行けない。
でも、休みの日には元気に出かける。キャンプにも行くし、火おこし担当!マイクラで建築をするのが得意で、大会でも評価されてるみたい。
絵もよく描くし、手先も器用。
そして、とても優しい。

「不登校=何もできない」ではない。
“今のこの子”をちゃんと見よう。
そう思えるようになったのは、本当に最近のことです。


不登校は、親の受容の物語でもある

子どもが変わることよりも、
まず、親の中の「こうあるべき」という思い込みを手放すこと。

「自分とは違う、子供自身の人生の選択」だと自分とは切り離して考えること。

不登校は、親子で一緒に「心の再構築」をしていくプロセスなのかもしれません。

まだ、期待と不安、そして受容が繰り返し押し寄せてくる毎日ですが、
私は、子どもたちにとっての「安心できる基地」でありたい。

そして、「今」を生きるこの子を、丸ごと受け止めていたい。
そんな想いで、今日も向き合っています。


今、子供の危機に直面し、理想と自分の反応のギャップに愕然としているあなた。

あなたも、本当に心から子供を受け入れる為に、正常な反応を辿っているのかもしれません。

人間だもの。ましてや大切な我が子のこと。動揺するに決まってます!

私と一緒に一歩ずつ進みましょう✨️

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