不登校の裏側にある「心の成長痛」──発達段階と経験から読み解く子どもの気持ち

不登校・子育て

わが子が「学校に行きたくない」と言い出したとき、親として最初に感じるのは戸惑い不安ではないでしょうか。私自身もそうでした。

でも、振り返ってみると「ただの甘え」ではなく、心が成長しているサインだったと今は感じています。

この記事では、わが子の不登校の背景にある「発達段階」や「過去の体験」、そしてマズローの「欲求5段階説」をもとに、どんな心の動きがあったのかを整理し、親としてどんなふうに関われるのかをまとめてみました。


■ 思春期の「人生意味ない」「消えたい」は成長の証?

中学1年生になったわが子が「オレの人生、意味ない」と言ったとき、私はかなり動揺しました。生命に関わる重大な発言だと感じたから。

しかし、発達心理の視点から見ると、これは思春期ならではの“自我の揺らぎ”とも言えるのです。

エリクソンの発達段階によれば、思春期は「自我同一性 vs 同一性拡散」の時期。自分とは何か、どんな価値があるのかを模索する時期だからこそ、「意味がない」「消えたい」といった言葉が出てくるのは、自己と向き合い始めた証拠でもあるのです。

言葉はショッキングでも、その裏にあるのは

「今の自分がどう生きていけばいいのかわからない」

という、誠実な問いかけ。親がその声を真剣に受け止めることで、安心して揺れられる土壌が生まれます。

📚️エリクソンの発達段階についてはコチラ(ヒューマンアカデミーこども教育総合研究所)

そういえば思春期の頃、私も、友達も、辛いことがあると「消えたい」って口にしてたな…只々不安定な時期としか思ってなかったけど、ちゃんと成長してたんだな…。


■ 不登校は「欲求の土台」が揺らいでいるサイン?

マズローの「欲求5段階説」(説明はコチラ)では、人はまず生理的欲求・安全欲求が満たされて初めて、所属と愛の欲求、承認欲求、そして自己実現欲求へと進んでいきます。

わが子が学校に行けなくなったとき、私は「なんで?」「どうして?」と問いかけていました。でも、今ならわかります。あのときのわが子は、安心感や信頼感といった“土台の部分”が揺らいでいたのです。

過去の経験──暴力、理不尽な先生、悪口、安心できない児童クラブ──

によって「学校=怖い・苦しい場所」というイメージが強く根付いていました。所属や承認を求めるどころか、まず「ここにいても大丈夫」という感覚を回復することが何より大事だったのです。

親としてできるのは、

「安全な居場所を整えること」

それが、次の段階に進む力につながります。


■ 小学生時代の“心の傷”──その経験が今にどう影響している?

わが子は、5歳のときに両親の離婚を経験し、小学3年生からは次のような辛い出来事が続きました:

・通り魔のような暴力を何度も受けた

・先生からの理不尽な対応

・傷害事件の目撃

・精神的に不安定になった先生と丸一日過ごさせられた

・周囲から悪口を言われる

これらの体験はすべて、「安心できるはずの場所=学校・学童」が、逆に“心が傷つく場所”としてインプットされてしまう経験です。

エリクソンの「勤勉性 vs 劣等感」の学童期の段階では、本来ならば「自分にもできることがある」「仲間の中で価値ある存在」と感じる経験から、自信と社会性が育まれます。しかしこの時期に安心感が得られないと、劣等感や不信感を抱いたまま思春期へ突入することになるのです。


■ 行き渋りの背景にも発達段階がある

「小学生の頃の行き渋り」は、一見ただの甘えやわがままに見えるかもしれません。でも、実はこれも発達段階における“心の成長痛”のひとつです。

学童期の課題は「勤勉性 vs 劣等感」。学校生活を通して「やればできる」「がんばって認められる」体験を積むことで、自己肯定感が育ちます。けれども、人間関係のストレスや失敗体験が重なると、「学校=自分が劣る場所」という意識が芽生え、そこから逃れたいという気持ちが出てきます。

これは心のブレーキではなく、自分を守るための防衛反応とも言えるのです。


■ じゃあ親にできることは?

  1. 「できてる部分」に目を向けて具体的に声かけする
  2. 感情を否定せず、「教えてくれてありがとう」と伝える
  3. 「一緒に考えよう」と並走する姿勢を持つ

過去に傷ついた経験は消せません。でも、「その時あなたが悪かったんじゃない」と伝え続けること。「今ここは安全だよ」と感じてもらえる環境を整えること。そうやって、少しずつ壊れた“安心感”を取り戻していけるのだと思います。


■ 不登校は「止まった状態」ではなく「再構築の時間」

不登校は、単に学校を休んでいる時間ではありません。彼らにとっては「壊れた心を自分の力で立て直している最中」なのです。だからこそ、外から無理に引っ張り上げるのではなく、土台が整うのを待つことがとても大切。

わが子は、過去の体験を乗り越えながら、今、自分自身を見つめ直し、安心できる居場所を求めて再構築しようとしています。

そのプロセスは決して順調ではないけれど、確実に“進んでいる”のです。


■まとめ

親にできる最大のサポートは、「揺れることを許す」ことかもしれません。

今日もまた、私たちは一緒に揺れながら、少しずつ前に進んでいます。

不登校は「終わり」じゃない。新しいスタートをつくるための、かけがえのない“準備期間”なんじゃないかな。

同じく不登校に悩むお母さん方。大切な子供たちの、本当の意味での成長見守り、一緒に頑張って貰えると励みになります😌♥

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