苦手より『得意』を伸ばす──WISC結果から見えた子どもの可能性」

不登校・子育て

WISC結果「IQ83」にショックを受けた子どもと親の気持ち

先日、長男のWISC検査(知能検査)の結果を受け取りました。
「IQ83」──その数字を見たとき、私もショックを受けましたが、何より落ち込んだのは本人でした。
「オレってIQ低いんだ…」と帰りの車内でつぶやく息子の姿に、胸が痛みました。

かかりつけの心理師さんからは特に説明もなく、医師から紙を受け取り

経験値が少ないことも影響してるだろうけど、この数値なら学校でも困りがあったかもね

と軽く説明を受けました。口頭の説明と、手元にある数値を記載された紙…。

どう解釈すればいいのか分からず、後日職場の心理師さん(自称“心理オタク”w)に相談しました。そこで伝授された話は、母親として心から救われるものでした。

WISC結果の正しい見方|数値だけにとらわれない理由

心理師さん曰く、心理師も人間。経験や性格で説明の仕方に偏りが出ることがあるそうです。だからこそ、数値だけで子どもを判断するのは危険
大事なのは「検査中の様子」「表情」「できた課題・できなかった課題」を総合して、その子像を読み解くこと。

心理師による「検査中の様子」を重視した解釈

にいすけは過緊張になりやすく、検査中に思考停止しがち。そんな状態で出た数値は“その時の状態”の影響を強く受けます。だから紙の上の数値を“その子のすべて”として独り歩きさせないことが大切。

とはいえ、WISC検査自体、初対面の心理師(他人)の前で、緊張状態の中でどれだけの力が発揮できるかを見るものなので、過緊張で発揮されなかった力もそのまま結果に反映します。

ワーキングメモリが低くても成長は可能

渡された書面上、一番低く出ていたのが

ワーキングメモリ(情報を一時的に記憶し、その処理をしながら次の行動に移す脳の機能。脳のメモ帳とも例えられる)でした。ワーキングメモリが低めでも、視覚化・分割・確認の対話などの工夫で十分に補えます。実際、図や文字で提示すると理解がスムーズな場合も。

心理師さんから、本人が苦痛でなく、自信を取り戻せる働きかけを行いたいなら

コグトレ】がオススメだと聞きました。

コグトレとは?

コグトレとは、Cognitive Training(コグニティブ・トレーニング)の略称で、臨床心理士の宮口幸治先生が提唱した認知機能強化トレーニングです。

学習や生活の基盤となる「覚える・数える・見つける・写す・想像する」といった認知機能を鍛えることで、子どもの困りごとを減らし、自信を育てていくことを目的としています

コグトレの3つの柱

  • 認知機能強化トレーニング:図形模写・点つなぎ・間違い探しなどで「覚える・考える」力を育てる
  • ソーシャルトレーニング:感情理解や人間関係、危険予知などの社会性を伸ばす
  • ライフスキルトレーニング:買い物、スケジュール管理、道順など日常生活の力を育てる

コグトレの効果

ワーキングメモリが弱い子や、発達障害・グレーゾーンの子どもは「忘れる」「要点をつかめない」「指示を聞いても行動できない」といった困りごとを抱えがちです。コグトレはこうした課題にアプローチし、成功体験を積ませることで自己効力感を高める効果があります。

コグトレが活用される場面

コグトレは学校の特別支援教育や放課後等デイサービス、発達支援の現場だけでなく、家庭でも市販のワークブックを使って実践できます。年齢や発達段階に応じた課題がそろっているため、誰でも取り組めるのが大きな特徴です。

コグトレまとめ

コグトレとは「脳の筋トレ」のようなもので、学習・生活・社会性の土台を整えるトレーニングです。子どもの「できない」を「できる!」に変えるサポートとして、多くの教育現場や家庭で注目されています。

⇩コグトレ書籍⇩

すこしやさしいコグトレ
認知機能をやさしく鍛える600題のワーク集
るるぶ日本一周コグトレ・パズル
47都道府県を楽しく覚えながら認知力アップ
社会面のコグトレ①
感情理解や危険予知を段階的にトレーニング
聞きとりワークシート①
「言われたことをよく聞く」基礎力を育てる
聞きとりワークシート②
要点を聞きとる力を育む実践ワーク
聞きとりワークシート③
イメージ化して理解・記憶する応用編

心理師さんから聞き取りワークシート③(高学年向けのようです)をお借りしましたが、回答シートをコピーして、質問者が読み上げた質問に該当する答えを子供が答える、というものでした✏️

うちではスマホで写真を撮って、マークアップ機能でイラストにチェックしましたが難なく出来、にいすけもクイズみたいで楽しかったみたいです🤩楽しく続くものが良いですね😆

IQは「日本社会で必要な力」を測る数値にすぎない

印象的だったのは「IQは日本社会で生きるために必要な力の指標にすぎない」という視点。
高学年になるほど学習も難しくなり、学校や社会の暗黙の了解が増えます。学校に行けない・人との触れ合いが少ない状況では、触れる情報が少なく、IQに差が出やすいのだそう。

「その状況でこのIQをキープしているなら、むしろ保てている方」と言われ、私は救われました。数値の裏にある生活背景まで含めて見る視点が必要なんですね。

子どもの得意を伸ばすことが自信につながる

心理師さんの核心はここ。「苦手を直すより、得意を伸ばすほうが全体を底上げする」。
にいすけには胸を張れる得意なことがあります。マインクラフト建築です。

WISC結果よりも大事な「得意分野の発見」

にいすけは、Switchを使用し、大会で何度も優勝しているガチ勢。ステータスは50以上で、見本建築を頼まれることもあります。考えて形にする力は、紙の数値より雄弁に“できる”を語ってくれる。

作品を見せてくれ、それぞれの説明をしてくれるのですが、まあよく出来てる!仕掛けも上手く作っているし、デザインも素敵✨️凄く作り込まれた作品は秀逸です😳

母は分からんのですけどね(笑)

マイクラ建築で優勝した子どもの強み

能動的に考えて工夫する遊びは、ワーキングメモリや論理的思考の良いトレーニングにもなります。受け身の動画視聴より、手を動かす思考が自信を育ててくれます。

数値に表れない力|信用を守る心の育ち方

ある日、私は冗談半分で言いました。

18歳以上じゃないと換金できないなら、母さんの年齢でアカウント作っちゃろうか?

にいすけは迷わず答えました。

マイクラからの信用を失いたくないから、ルールは守りたいんよ

得意を通じて、ルールと信用を大切にする心まで育っていた。これこそWISCの数値には表れない、でも人生に不可欠な力。

ちょっと残念がる母(笑)

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親ができるWISC結果への向き合い方

  • 安心を渡す

    「苦手でも大丈夫」と伝える。誰しも思考のクセはあり、どう活かすかが大切であることを共有する。

  • 理解を促す

    問い返し・言い換えで理解を支える。短く区切り、要点を一緒に確認。

  • 環境づくり

    コグトレや日々のコミュニケーションに【可視化】を取り入れる。マイクラなど「考えて作る」活動を応援。

まとめ

WISCの数値は目安。子どもの可能性はその外側に広がっています。
得意を見つけて伸ばすことが自己効力感を育て、やがて苦手も補っていく。私はにいすけの姿から、それを確かに学びました。

❀moyu❀

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